生産国：COLOMBIA（コロンビア）

生産地：Huila,Bruselas Pitalito（ウィラ県ピタリート市ブリュッセル）

生産者：Johan Vergara （Finca Las Flores）  /  ヨハン・ヴェルガラ（ラス・フローレス）

品種：Java（ジャバ）

標高：1,600 - 1,800 M.A.S.L

精製方法：Washed ( Extra Fermentation) / ウォッシュド（エクストラファーメンテーション）

焙煎度合い：浅煎り / シナモンロースト（1crak+63sec）

 

 

CUPCOMMENT / カップコメント                     

Flavor（フレーバー）：Chamomaile,Lycee,Lemon-Tea,Olive-Oil,Nutmeg

Aroma（アロマ）：Floral⇒Chamomaile（フローラル⇒カモミール）Spice⇒Nutmeg（ナツメグ）、Green,Vegetarine⇒Herb-Like（グリーン、ヴェジタブル⇒ハーブ）

Acidity（酸味）：Citrus Fruits⇒Lime,Lemon（柑橘系⇒ライム、レモン）Fruity⇒Other Fruits（フルーティー⇒アザーフルーツ（ライチ））

Sweetness（甘味）：Sweet⇒Vanilla（スウィート⇒バニラ）、Brown Sugar⇒Honey（ブラウンシュガー⇒蜂蜜）

Mouthfeel（マウスフィール）：Brownsugar⇒Maple Srup（ブラウンシュガー⇒メープルシロップ）、Oliveoil（オリーブオイル）

After Taste(アフターテイスト）：Floral⇒Black Tea（フローラル⇒ブラックティー）、Lycee（ライチ）、Lemon Tea(レモンティー）

Roasters' Comment             

ASLANのハイエンドコロンビアと言えば、Finca Las Floresです。早いものでASLAN Coffee Factoryを起業してから６年の歳月が経ちましたがFinca Las Floresのコーヒーは常に私達と共にありました。

思い出もありますが、それ以上にFinca Las FloresのJohan Vergaraという彼の存在そのものが私達の目指す未来への指針でもありました。

相も変わらず今年の彼のクロップも例年以上に素晴らしいものになりました。

クリーンで透明感のあるカップイメージはそのままでフレーバーそのもののインテンシティが単純に強くなっています。

ドライアロマではナツメグやカルダモンを思わせるスパイシーな香りが漂い、おやっと思わせておいてトップアロマで綺麗なシトラスティーの様相が淀みなく水平線のように溢れてきます。

ハイトーンでありながら、クリーンなフレーバーグラデーションはまさにプロセッシングイノベーションとも呼ぶべき計算されたフレーバーです。

 

農園紹介　　　　　　　

フィンカ・ラス・フローレス農園はウィラ南部アセヴェド地区に位置し、海抜1,730mの高地にあります。

１９９０年の設立当初は18,000本のコーヒーの木の小さな農場でしたが、今では90000万本ものコーヒーノキが育つ14haにも及ぶ広大な農場へと成長しています。

先代の農園主エディベルトさんは質よりも量を優先する大量生産型のコーヒー生産を行っていましたが、ヨハンの説得もあり２００６年にコロンビア・カップオブエクセレンスコンペティションに参加し、スペシャルティ コーヒーの世界に飛び込みました。

（左が父エディベルトさん、右がヨハン）

当時は父エディベルトさんとヨハンで農園の経営方針で大喧嘩したそうですが、それ以来、エディベルトさんは息子のヨハンさんの助けを借りて、生豆コーヒーの改善と差別化に取り組んできました。

現在では農園の管理をヨハンさんに譲り、仲良くやっているそうです（笑）

ラス・フローレスではマイルドでバランスの良い酸味のイメージがある従来のコロンビアテロワールとは一線を画す独特なコロンビアコーヒープロファイルを開発するために、新たな品種の開発と加工方法の研究と実験を継続的に行っています。

現在、ヨハンさんの農園ではレッド系、ピンク系、イエロー系の三種類のブルボン種に加えて、タビ、ジャワ、マラカトゥーラ、ゲイシャ種などが商品ベースとして生産しています。

最近ではウシュウシュ種やシドラ種などのここ最近のコーヒーマーケットでも注目されているトレンディーかつエキゾチックな品種も商品化に成功しており、トレンドの動向への興味と研究熱心な姿勢が品種のラインナップからも窺えます。

プロセスについて　　　　　　　　　　　　

（2024年ワールドブリュワーズカップでインドネシア代表のRyanがネストルのオンブリゴンナチュラルを使用して優勝した際のセレモニー。左ガスカ、ヨハン、右ネストル2024 World Brewer’s Cup Chicago – Lohas Beans）

今回のクロップはJava（ジャバ）というインドネシアのジャワ島を原産とする品種です。

ジャバは最近の研究で”高地で栽培しないと品種のポテンシャルが発揮されない”ということが分かり、改めてその価値が再確認されています。

今回のクロップも1700m以上の高地で栽培しているので、ジャワ島で感じるJava種とは大きく異なったフローラルなフレーバーにびっくりするはずですが、ヨハンのJava種はその品種の個性を最大限発揮させるためのもう一つの工夫が施されています。

 

ヨハン・ヴェルガラは友人であるエル・ディヴィーゾ農園のネストル、エル・ザルザ農園のガスカブラザーズと共にコーヒーチェリーの発酵過程を研究しているウィラの若きコーヒープロダクターです。

彼らは品種の特性理解と菌がもたらす発酵の風味について研究し、WBC（ワールドバリスタチャンピオンシップ）など競技会に特化したコーヒークロップの生産を得意としており、毎年のコーヒー生産過程を全て数値化しデータとして蓄積していくことで、「コーヒーチェリー本来の風味を生かした自在な風味作り」を目指しています。

 

PROCESS

これまでの蓄積の中で、それぞれのコーヒーチェリーの品種に含まれる酵母菌を培養し、添加する酵母発酵の技術や、品種のフレーバープロファイルに合わせた発酵レシピ（発酵時間や発酵温度等の工程手順のマニュアル化）を開発しています。

ネストルやヨハンのコーヒーはこれまで毎年扱ってきましたが、去年辺りからこうした研究蓄積を生かした特殊なクロップを商品化することが顕著になりましたが、今回のクロップも同様の特殊精製プロセスになります。

 

彼が「シトラス・リーデン」と呼ぶ今回のクロップには上記の特殊な発酵工程を施しています。

特筆すべき点をまとめるとすれば、大きく分けて２点あるでしょう。

１：好気性発酵と嫌気性発酵を交互に行う複雑な発酵スタイル

２：コーヒーチェリーから摘出した菌を培養し嫌気性発酵時に使用する酵母発酵

 

他にも想定していない菌が余分な発酵反応を起こさないよう除菌したり、繊細な温度コントロールをしたりと彼らの工程には目を見張るべき繊細な技術が散見しますが全て説明していたらきりがないので、実際に飲んでみて気になった方はインスタライブなり店舗で直接聞いてください。（笑）

 

 

発酵工程の詳細　　　　　　　　　　

0）チェリーの収穫は降雨時を避けて、晴天が続く期間に行う。これによりチェリーの糖度が高まり水分が適度に抜けて甘みが増す
糖度（Bx)24℃〜26℃のチェリーを選別

1) チェリーをアルコール濃度5%の水で除菌。フローターやディフェクトチェリー、夾雑物を取り除き完熟果実のみに選別

2) 袋に入れ（脱気はしないで袋を閉じるだけ）、48時間の酸化を促す（酸化は好気発酵と同義）その後口を開けて12時間、さらに閉じて60時間。袋内の温度を30〜40℃を保つ
60時間の終わりに袋の口を明けたまま発酵を進め温度を上げていく（状況により時間は前後する）

3) プラスチックタンクに移し、2で滲み出た浸出液も一緒にタンクに入れて嫌気発酵を24時間行う

4) チェリーを一度洗い、50℃のお湯を投入し、発酵を止める

5) 脱水し、天日乾燥で水分がある程度抜けたところで、除湿機にかけ水分値を11％まで下げる（約60〜70時間）

 

Java（ジャバ）　　　　　　　　　　　

英語原文：World Coffee Research | java

遺伝子的記述 : エチオピア原生種

血統 : エチオピア原生種

ブリーダー : 文献なし

歴史 : ジャワには長い栽培の歴史があります。名前が示すように、この品種は19世紀初頭にオランダ人によってエチオピアから直接ジャワ島に導入されました。当初はティピカのセレクションと思われていました。20世紀半ば、地元の農家がヴィルモリン社を通じてカメルーンに持ち込み、ポルテレス(有名なブリーダー)からジャワ島の種子を入手しました。カメルーンでは、ブリーダーのピエール・ブハールモンが、アフリカのコーヒー生産者に蔓延しているコーヒーベリー病(CBD)に部分的に耐性があり、投入物をほとんど使わない小規模生産者によく適応していることを観察しました。20年近くの選抜の後、1980年から90年にかけてカメルーンで栽培用に放流されました。それでも、分子マーカーの遺伝子フィンガープリンティングにより、ジャワはエチオピアの在来種集団からの選択であることが明らかになりました Abysinia.It 1991年にブリーダーのブノワベルトランによって国際農業開発研究センター(CIRAD)によってコスタリカに導入されました。その目的は、低投入量を使用する小規模農家とCBD耐性(CBDは現在中米には存在しないが、この地域に移行する可能性がある懸念がある)に選択肢を提供することだった。種子はPROMECAFE諸国に送られましたが、どの国でもリリースされることはありませんでした。その後、高地でのJavaの品質の可能性が認められました。ジャワ島を公式に認めた最初の中央アメリカの国は、2016.It 年のパナマであり、ゲイシャ(パナマ)の興味深い代替品であり、カップの品質は高いが、コーヒーの葉さび病やCBDに対する耐性が高い小規模農家にとってより回復力があります。

Roaster's Comment---------------------

ジャバ種はワールドコーヒーリサーチの原文にもある通り、インドネシアのジャワ島に渡ったエチオピア種です。

元々はティピカ系統と思われていましたが、最近の研究ではどうやらエチオピアランドレース群という認識の方が主流のようですね。

ただ、この品種の面白い点はどっち系統かというより、「標高が高いところで育てないと品種のポテンシャルが発揮されない」という所だと思います。

ヨハンのように、1700m以上の高地で育てたジャバ種でないと、そもそも品種のポテンシャルは風味に現れてこないので、そうなっちゃうと・・・ティピカなのかエチオピアランドレースなのか以前の話になっちゃうわけです。