Cauca
バジェ・デル・カウカは、コロンビア南西部に位置し、ポパヤンがあるカウカと隣接した地域です。
バジェ・デル・カウカの南東部に位置するのがカイセドニア地域、北部に位置するのがトルヒージョ地域です。
いづれもアンデス山脈の一部で標高1,400~2,000メートルの高地にあり、温暖かつ湿潤で、昼夜の気温差が大きくコーヒー栽培に恵まれた特性を有しています。コーヒー栽培に適した気候とバラエティ豊かな品種、独自の精製方法の管理を取り入れることで、世界的に評価されるコーヒーが生産されています。
コーヒーの生産地としてだけではなく、県の海沿いにはブエナベントゥラ港を擁し、中部産のコーヒーの輸出港として重要な役割を担っています。
CGLE
今やコロンビアを代表する有名農園となったカフェ・グランハ・ラ・エスペランサ。CGLEの呼び名でも知られています。
その礎を築いたのは、フアン・アントニオさんとブランカ・リギアさんご夫婦です。コロンビアのポトシ農園のあれこれを任されることになったふたり。1945年には、フアンさんが、既存のティピカ品種に加え、イエローブルボンにレッドブルボン、カトゥーラを新たに導入することを決めました。これが今のカフェ・グランハ・ラ・エスペランサ(以下、CGLE)に続いています。
ふたりは14人の子どもたちを授かり、当時では一般的なコロンビアの伝統的な大家族のかたちを築いていました。農園では人手が必要だったこともあり、子どもたちもお手伝いをしながら、家族みんなで農園をつくりあげてきました。
農園は長い年月を経て、少しずつ生産性も高まっていき、子どもたちの中で、コーヒーの栽培や精製方法に特に興味を持ったのが、リゴベルトさんとルイスさんでした。
ポトシ農園に加え、トゥルヒージョという地域の農地を手に入れ、「ラ・エスペランサ農園」と名付け、有機農法の拡大に取り組んでいったのです。
CGLEでは現在、はじまりの地でもあるポトシ農園に加え、ラ・エスペランサ農園、ラス・マルガリータス農園、セロ・アスール農園の4つの農園で生産に取り組んでいます。
スペシャルティコーヒーの生産と販売に特化し、コロンビアの土壌と気候に新しい品種を適応させるという大きな挑戦に取り組んでいます。世界中のスペシャルティコーヒー市場で、常に一線を画す存在であろうと、日々品質の向上に努めています。
Pink Bourbon
ピンクブルボンは、レッドブルボンからの突然変異した品種と思われていました。
「ブルボン ロサード」とも一般的には呼ばれます。
真っ赤に色づくわけではなく、赤色がうっすらしてピンクのような色味になることからそう呼ばれています。
と、これまでは言われていましたが、実は2023年に衝撃の研究結果が発表されました。
Cafe Imports | Pink…Bourbon?: Cryptozoology and Genetics in Specialty Coffee
ピンクブルボンがレッドブルボンからの派生というのは迷信で、エチオピアランドレースということがDNA研究の結果分かりました。
ウィラ県を中心に生息する独自の生態系を持つピンクブルボンはここ数年爆発的な人気を誇ります。