フィンカ・エル・パライソの農園の最大の特徴は「情報量」です。
彼らが公開する農園のホームページにはコーヒーノキの育て方やコーヒーチェリーのピッキング法、発酵時の発酵方法など実に様々な彼らの農業工程が事細かに情報として公開されています。
いつもはある程度客観的にまとめた農園の情報を記載していますが、今回はせっかくなのでフィンカ・エル・パライソが公開している彼らの農園の始まりについて僕が読みやすく意訳したものを紹介します。
もし、これを読んで彼らの情熱に興味があればホームページのリンクも記載してますので是非飛んでみてください。
Our History - Finca El Paraíso Specialty Coffee
2012 - The Beginning
2012年、フィンカ・エル・パライソはコロンビアで小さな家族プロジェクトとして始まりました。
元々、彼らを含めコロンビアの小さな家族経営の農家たちは、限られた資源、不確実性、直面する予測不能な気候、変動の激しい価格、市場を支配する仲介業者、高い生産コスト、そして品質の損失の絶え間ないリスクという課題に直面しています。
多くの農家がこうした複雑化した農業経営リスクから家業を守るために輸出業者を頼りますが、エルパライソは単にコーヒーを生産したいだけではなく、家業として「もっともっと情熱的な何かを追いかけたいし、挑戦したかった」と言います。
The Cultivation Challenge - Learning from Scratch
そこで彼らはあえてリスクをとることを選択しました。
ゲイシャ、ブルボン、ローリナという扱いの難しい高級品種を植えたのです。
これらの品種は生産収量が低い品種のため、地元の農協での買取では採算の合わない品種であるため、この品種のみで農園を始めるというのは文字通り「品質に賭ける」ことを意味します。
彼らは収穫のたびに予期せぬ雨、害虫、極端な気温変化、経済的不確実性との戦いとなりました。
しかし、あらゆる障害がエルパライソのコーヒーに降りかかるたび、それは彼らにより深い問いを投げかけました。
問題はコーヒーそのものではなく、それをどう処理するかにあるのではないか?
彼らが現在の発酵スタイルへと至るまでになった原点がそこにありました。
Breaking the Hardest Barrier: Direct Commercialization
しかし、彼らが発酵という工程に挑戦すればするほど大きく立ちはだかったのが従来のモデルと既存の価値観でした。
従来のモデルから離れるということは、まだ誰も見たことも聞いたこともない未開の地へと旅をすることと同じです。
彼らは自分たちが作った全く新しいコーヒーのサンプルを提示しては耳にタコができるほど「リスクが高すぎる」と輸出業者へ言われ、拒絶されてきました。
歴史的構造と競合することはそう簡単なことではないのです。
「しかし、私たちは本質的なことを理解していました。
コーヒー農法を変えたいなら、自分たちの運命を自分でコントロールしなければならないということです。」
そう思ったエルパライソは自国の輸出業者に売るのではなく、コロンビアを飛び越えて消費国で自分たちの豆を焙煎してくれるロースターとの直接的な関係を築き始めました。
仲介者なしで。
品質を損なうことなく。
これこそが彼らが編み出したリスクへの回答でした。
The Turning Point - Science in the Mountains
多くの人が既存のものを改善している中で、エルパライソは異なることをすることに決めました。
微生物学、酵母、発酵、酵素制御、芳香族前駆体に没頭しました。
こうして彼らの酵母媒介生体触媒技術が誕生しました。
「私たちはもっとエキゾチックなコーヒーを求めていたわけではありません。私たちは毎年、正確さ、再現性、一貫性を求めていました。
その後、熱衝撃技術、凝縮乾燥システム、そして最終的に社内で開発された技術が生まれました。気候変動を恐れる代わりに、科学を通じて緩和する方法を学びました。」
Innovation Developed on the Farm
私たちは技術を購入していません。
私たちが設計したのです。自社で機器を作り、独自のプロセスを開発し、かつては不確実だった場所にコントロールを創出しました。
しかも、私たちは手抜きなしでそれをやり遂げました。
コーヒー豆の中に自然がすでに作り出していたものを解き放つことで、800以上の芳香化合物が適切な環境で表現されるのを待っているのです。
From Family Farm to Global Reference
2012年に小さなプロジェクトから始まったこのプロジェクトは、現在では86か国以上に展開し、ヨーロッパやアメリカにオフィスを持ち、世界有数の焙煎業者が使用するコーヒーを製造し、科学的なコーヒー加工の世界的な基準となっています。
しかし、本当の成果は認知ではありません。それはモデルの変容です。
Sharing Knowledge - Co-Production
私たちは未来が他のプロデューサーと競うことではないと理解していました。それは彼らを高めることだった。
私たちは共同生産モデルを作りました。小規模なコーヒー農家の植え込み支援、技術によるチェリー加工、乾燥したコーヒーのように支払われ、国際市場で生まれた価値を共有するというものです。
私たちはコーヒーだけを販売しているわけではありません。私たちは安定を作り出します。私たちは信頼を築きます。私たちは未来を創り出します。
Today
フィンカ・エル・パライソは単なる農場を代表するわけではありません。それはコーヒーの新しい理解のあり方を表しています。科学と伝統が共存し、イノベーションがテロワールを尊重し、品質が気候に依存しず、生産者が供給者ではなくパートナーである場所です。
私たちはコーヒー農法を引き継いだわけではありません。私たちはそれを受け入れました。私たちは疑問を呈しました。私たちはそれを変えた。
そして2012年に家族の夢として始まったものが、今や世界中で拡大し続ける静かな革命となっています。そして、私たちはまだ始まったばかりです。
