中国 / ハオメイ カティモール・ 青茶ナチュラル(浅煎り)
中国 / ハオメイ カティモール・ 青茶ナチュラル(浅煎り)
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生産国:CHINA(中国)
生産地:CHINA Simao Pu`ar Yunnan / 中国雲南省
生産者:Xingang Tea and Coffee Plantation /Zhao Mei(シンガンティー&コーヒープランテーションハオ・メイ)
品種:Catimor T5175(カティモールT5175)
標高:1,600m - 1,800m
精製方法:SEICHA-Natural(青茶ナチュラル)
ローストレベル:Medium roast(浅煎り)
CUPCOMMENT / カップ評価
【Aroma(アロマ)】ローストナッツ(Roastnuts),麦(Wheat)
【Flavor(フレーバー)】赤林檎(Redapple)
【Acidity(酸味)】クエン酸(Citlic),林檎酸(Malic)
Sweetness : 黒糖(Brownsugar),チョコレート(Chocolate)
Body : ショートミディアム(Short-Meiumbody),
Aftertaste :ココナッツ(Coconuts)
ABOUT Menglian
中国最大のコーヒー生産量を誇る雲南省孟連県はもともとお茶の名産地です。
現在この雲南省でコーヒーチェリーを育てている農家はほとんどが元々お茶の生産に携わっていました。
中国の長い歴史の中で培ってきた高度なお茶の精製技術(特に発酵と乾燥の管理)をコーヒー栽培に転化することで現代的なスペシャリティコーヒーの生産知識を取り入れながらも、独自の生産様式で飛躍的に品質を上げているコーヒーの生産地の一つです。
Xingang Tea and Coffee Plantation は孟連県の北西部に位置し、標高は中国の中でも特に高く1,600m~1,800mあります。
シンガンティー&コーヒープランテーションは趙梅さんの両親がゼロから立ち上げ、興港村の全ての村人共にコーヒーと茶の栽培に取り組んできました。
趙梅さんは父の事業を引き継ぎ、山全体にコーヒーノキを植えることを夢見て情熱と忍耐を持って今も妻と一緒にコーヒーの生産に取り組んでいます。
2021年ベストオブ雲南Natural部門で一位を獲得し、彼のコーヒーが優れた品質であることが認められています。
Features of Catimor
アラビカ(カツアイ種)とロブスターの人工交配で生まれたカティモール品種はラウンド感のあるボディの印象が個性的な品種ですが、酸味の質が悪く、鉄っぽさやアーシー(土臭い)、ハーバル(薬草、漢方)といった酸味に濁りを感じることが多いです。
この品種がスペシャリティコーヒーとしての立ち位置を未だ確立できない要因はまさにそこにあって、酸質の明瞭性と酸の総量アップこそこの品種の肝になるかと思います。
中国のスペシャリティコーヒーの生産はまだ始まったばかりで、生産はほぼ雲南省です。
この地域のコーヒーの歴史は1988年のネスレの試験栽培が大きなきっかけとなり飛躍しましたが、インスタントコーヒー用の生産目的でもあったため、この地域に現在生息しているコーヒーの品種はカティモールのみです。
【2024年10月追記】早い段階からスペシャリティコーヒーに視座を据えた雲南省の農家の中にはカティモール品種以外の品種を育てている人もいるそう。
Yepinでもゲイシャの商品化が進んでいるそうです。
中国市場と日本市場のコネクトデザインが進んでいけば、こうした中国のスペシャリティコーヒーシーンから様々な風味を楽しめる未来もそう遠くないのかもしれません。
写真元/原文元:【World coffee research】https://worldcoffeeresearch.org/news/2023/supporting-el-salvador
【 Seicha-Natural 】青茶ナチュラル
誤解されやすい名前なので先に行っておくと何か別の果物を加えたりはしていません。
一般的なナチュラル製法と思ってもらって大丈夫なんですが、このクロップの面白さは青茶特有の精製工程をコーヒーの精製工程に取り入れている点です。
シンガンのコーヒー&ティーファームではお茶の生産も行っています。
今回のクロップである青茶ナチュラルは、中国茶の「青茶」を生産する際に行われる「揺青」と「炒青」と呼ばれる工程をコーヒーの精製方法に取り入れた製法になります。
揺青(ようせい):茶葉に振動を与えながら攪拌したり、両手で持ち上げて揺り落とすことです。
一般的なコーヒーの乾燥工程ではアフリカンベッドや乾燥用パティオの上に並べたコーヒーチェリーを攪拌して乾かしていきますが、揺青を行うことによってより早く乾燥させることが出来ます。
炒青(しょうせい):発酵を停止する際に行う工程です。
この炒青とは熱処理によって発酵の活性を止める殺青の一種類で、茶葉の場合は釜で茶葉を炒ることで熱処理を行います。
コーヒーチェリーも収穫時の水分値はとても高いので、同様の効果が見込めます。
水分値の管理がとても大事になりますが、熱処理することによって乾燥時に起こる自然発酵を抑えることが可能になります。
乾燥工程の初期段階ではコーヒーチェリーの水分値が高く自然発酵が進んでいくことはよく知られています。
中南米のハイエンド思考な農家はここ最近、メカニカルドライやサーマルショックなど機械を導入することによって乾燥時に余計な発酵が自然発酵によって生まれないよう取り組んでいます。
一方で、まだまだスペシャリティコーヒーの歴史が浅い中国のコーヒー農家は中南米のハイエンド農家のそうした実験的な取り組みすらも、彼らが培ってきた茶の歴史の中に「発酵を管理する仕組み」が存在していることを知っています。
中国茶の長い歴史の中で彼らが培ってきた茶の「技術的な価値」をコーヒーという新しい素材によってリノベーションしていくような物語がハオさんのようなコーヒー農家には詰まっています。
ハオさんの農園では今でもコーヒーと共に青茶を生産しており、彼ら独自のコーヒー精製プロセスの取り組みはユニークであるだけにと留まらず、テロワールとして十二分に認められるものだと思います。
参考URL:青茶の製造工程
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