Topic Of Concept Kits【コーヒーノキの起源(09.2024)】

コーヒーノキの起源について新しい研究論文が発表されました。

写真元:Nature Genetics

遺伝子研究の分野において評価の高い論文ジャーナル誌「ネイチャー・ジェネティクス」で今年の4月に掲載された最新号ではコーヒーに関する論文が掲載されました。年間推定1,000万トンの生産量を持つコーヒーは、世界で最も取引されている商品の1つですが、その中でも特に世界的に広く愛されているコーヒーは、同種四倍体種コーヒーアラビカ(Coffea arabica)です。ひと昔前まではコーヒーの三大原種の一つとされていたアラビカですが、ここ最近の研究でカネフォラ種とユーゲニオイデス種の自然交配によって生まれた品種グループであることが発見されました。

『原文抜粋:19.C. arabica (2n = 4x = 44 chromosomes) は、現在の Coffea canephora (Robusta coffee, subgenome CC (subCC)) と Coffea eugenioides (subgenome EE (subEE)) の祖先との間の自然な交配事象から生じ、それぞれ2 n = 2x = 22 です。』

ロブスタ種由来のアラビカ種はウガンダ周辺のコーヒーノキが近縁ということが分かり、アラビカ種の栽培起源は、15世紀から16世紀のイエメンで開始されたことが最近の研究で認められました。1600年頃、7つの種子がイエメンから密輸され、インドのC.アラビカ品種の系統を確立します。その1世紀後、オランダ人は東南アジアでアラビカ種の栽培を開始し、現代の世界的に分布するティピカ・グループの起源となっています。1706年にアムステルダムに出荷された1つの植物は、1723年にカリブ海でアラビカ種の栽培を確立するために使用されました。

写真元:Nature Genetics 【The genome and population genomics of allopolyploid Coffea arabica reveal the diversification history of modern coffee cultivars】Published: 15 April 2024

URL:https://www.nature.com/articles/s41588-024-01695-w

ロブスタ種由来のアラビカ種はウガンダ周辺のコーヒーノキが近縁ということが分かり、アラビカ種の栽培起源は、15世紀から16世紀のイエメンで開始されたことが最近の研究で認められました。

1600年頃、7つの種子がイエメンから密輸され、インドのC.アラビカ品種の系統を確立します。

その1世紀後、オランダ人は東南アジアでアラビカ種の栽培を開始し、現代の世界的に分布するティピカ・グループの起源となっています。

1706年にアムステルダムに出荷された1つの植物は、1723年にカリブ海でアラビカ種の栽培を確立するために使用されました。

このティピカ・グループ群とは独立して、フランス人がブルボン島(現在のレユニオン島)でアラビカ種を栽培しています。

このブルボン島で栽培されたアラビカ種の中で1720年までに生き残った単一の植物の子孫が現代のブルボングループを形成しています。

この研究結果により、当論文では現在のアラビカ種の起源は大きく分けて3つのセクションに分類しています。

・エチオピア自然林を起源に持つアラビカ群

・イエメンを起源に持つティピカ・アラビカ群

・レユニオン島を起源に持つブルボン・アラビカ群

長い歴史の変遷と共に進化してきた膨大なコーヒー遺伝子群を歴史の時系列で整理するのはとても難しいことです。

私達一般人では非常に難解な問題でしたが、遺伝レベルでの分類により簡潔に体系化されている点が先ず挙げるべき有益なトピックだと思います。

引用元の論文では、もっと詳しくコーヒーノキの起源や病気への耐性について遺伝子学の視点から考察されています。

気になる方はぜひリンクから飛んでみてください。