【 BLACKMOON/CHIROSO 】
生産国:PANAMA(パナマ)
生産地:Panama Alto Quiel, Boquete, Chiriquí(パナマ チリキ州 ボケテ県アルト・ キュイエル)
生産者: Black Moon ( Hunter Tedman ) /ブラックムーン (ハンター・テッドマン)
品種:Chiroso/チロッソ
標高:1,700 - 1,780 m
精製方法:Anaeronbic Natural(アナエロビック・ナチュラル)
ローストレベル:シナモンロースト(浅煎り)
カップコメント / カップ評価
【Aroma(アロマ)】Cacaonib(チョコレート),brandy(ブランデー),
豆の状態だとチョコレートのような甘い香りを纏いつつ粉の状態にすると甘い香りに少し酸性が出てきてラムレーズンのような果実酒に似た芳醇な香り。
【Flavor(フレーバー)】、(ラズベリージャム)、(クランベリーシロップ)、ウイスキーボンボン,Berry-based sangria with lemon(レモンの輪切りを浮かべたベリー系サングリア),
【香り+ベリー系果物(強い酸味>強い甘味+質感)+フルボディ】の組み合わせ。
【Acidity(酸味)】Citrus(柑橘),Berry(ベリー)
Bright Acidity(明るい酸味)、lively(生き生きとした)、It is viscous and elegant(粘性があって気品さもある)
酸味には粘性を伴うどっしりとした厚みはあるが、明るい酸味からくる生き生きとした快活さや爽やかな印象もある。コンプレックスな酸味
【Sweet(甘味)】Cacaonibs(カカオニブ),.Syrup(シロップ),Honey(はちみつ),Molasses(糖蜜)
粘性を伴った甘み。香味から来る甘み。液体の重たさから来る余韻の甘味。粘性から来る甘味には蜂蜜やシロップ、糖蜜のような滑らかで重たい濃厚な印象を感じつつ余韻の甘味には香味も相まってビターなカカオのニュアンス。
【Body(ボディ≒コク)】Fullboy(フルボディ)液体のウェイトは重たい。テクスチャー(舌触り)にも粘性、とろみなど豊かなコクの印象がある。豊かなボディに濁りのようなものはなく、”透明感”がある。
まるでずっと続く暗闇のトンネルの先から吹いてくる風に森の匂いが漂って澄んだ空気だけを全身に感じるようなそういう重たい奥行きと透明感。
【After Taste(アフターテイスト)】LongAfterfinish(ショートロングアフターフィニッシュ)余韻は超ロングアフターフィニッシュ。口の中からコーヒーという液体がなくなってなお、長く続くコーヒーの味の余韻は力強く、目を閉じてその余韻に浸ってしまいたくなるようなバランスの良さをアフターテイストに感じられる。
重たさにビターな渋味があり、それが赤ワインやクラフトチョコレートの様な引き締まった風味の輪郭を縁取っており素晴らしいアフターフィニッシュ。
【Balance(バランス)】コンプレックス(Complex)
それぞれの項目に様々な要素がありつつも、長い奥行きの中で互いが喧嘩することなく消えては新しい個性が現れるエンターテイメントのような複雑性。
【OverAll(総合評価)】カップ全体には一貫して重たく力強い風味がある。穏やかさとは無縁の風味の強度には決して尖りが無く何故かアフターテイストでは見ごたえのあった映画のエンドロールを堪能しているような心地よくいつまで味わっていたいそんな気持ちまで湧いて出てくる甘美さがある。
幅のあるボディはさながら長編映画の尺のような贅沢な奥行きをカップバランスに与え、そこから演じられる【 酸味⇒甘味⇒酸味⇒渋味 】というグラデーションは最高のエンターテイメント。
I asked her:
"Why are your eyes so strong?"
She said.
"Huum...Because …I like Lilith."
アスランコーヒーファクトリー
二回目の新月を意味する「ブラックムーン」ですが、占星術においては「リリス」とも呼ばれます。
リリスは「隠された社会的な独立・反抗心」を意味し、
示す象徴に「新たな誕生」という意があります。
彼が占星術に造詣があるのかどうかはわかりませんけどね
でも、ブラックムーンは得てしてそういうもんです。
見えないから。
パナマについて
2020年のパナマ産コーヒーの生産量は6,900トン。全世界の生産量が10,688,153トンですので、世界シェアはわずか約0.064%しかありません。
世界国別ランキングでは世界42位になります。
それでも、コーヒーマニアの中でパナマコーヒーの名前を知らない人はおそらくいないでしょう。
その理由がベストオブパナマ(通称:BOP)と呼ばれる国内品評会の存在です。
現在世界の生産国各国でコーヒー豆の国内品評会が行われていますが、その中でこのベストオブパナマは最も高い値で取引が行われる品評会として知られています。
今年のベストオブパナマ2024ではゲイシャ・ナチュラル部門の優勝ロットが史上最高額となり約150万円/kgを記録し話題になりました。
ブラックムーンについて
写真元:Black Moon Farm – Forward Specialty Green Coffee Traders
ブラックムーンは、とてもミステリアスな農園です。
占星学を連想させるその名には「土壌再生」という競技会レベルの農園として特異なコンセプトが隠されています。
場所はチリキのボケテ・アルトクイル地方にあります。
チリキ県ボケテ地区はバル火山周辺に位置し、ミネラルを多く含んだ火山灰性の肥沃な土壌です。
そのため、古いからボケテ地区はパナマコーヒーの主要産地の一つとして知られています。
パナマコーヒーのヒストリーがこのボケテの大地には残されていますが、このブラックムーンの名前がボケテに刻まれる未来もそう遠くはないでしょう。
今回はそんな新しい進気鋭かつミステリアスな雰囲気で世界のコーヒーマニアを魅了する農園の紹介です。
ハンター・テッドマン
ブラックムーンの標高は1,700〜1,780海抜です。
標高も程よくブラックムーンは環境に恵まれた農場に見えますが・・・この場所はかつて、侵食され荒れ果ててしまった土壌の野菜農場でした。
オーナー兼Qグレーダーのハンター・テッドマンは、この場所にコーヒー農園を立ち上げることで、再生型農業を通して土壌の肥沃化を目指しています。
主に土壌内の微生物の生命活動を回復させることを目指しています。
テッドマンは最初にコーヒーの木を植えたとき、森林に豊かな生態系を作り出すことを目的として、さらに4,000本以上にもなるコーヒー以外の種も同時に植えました。
一部の種は、コーヒーの木の成長をサポートするために特別に植えられていますが、他の種は土壌に窒素を閉じ込めるのを助けたり、
他の種は受粉を助ける動物の餌を生産するために植えられています。
ハンターの目標は、コーヒーノキを中心に織りなす自然の生態系サイクルを生み出し、そこで生成された炭素を弱った土壌にできるだけ多く閉じ込めて自然肥料を与え、クリーンかつ再生可能なエネルギー構築による再生型のコーヒー生産を確立することです。
ハンター・テッドマンはこうしたサステナブルな農業戦略の持ち主でありながら、加えて優れたコーヒーを生産します。
2022年、ブラックムーン農園は初収穫のゲイシャをBoP(ベストオブパナマ)に出品して、ナチュラルロットとウォッシュドロットがそれぞれ93.5点と92.5点を獲得し初参加で入賞を獲得しました。
2023年にはVarital部門にてチロッソ種が2位に入賞。
そして、今年(2024年)の6月に行われたベストオブパナマでチロッソ種が見事Varital部門で優勝を果たしました。
今回はそんな破竹の勢いを見せているスーパー農園のフラグシップでもあるチロッソのリリースです。
今回のクロップは嫌気性環境下で発酵を施したナチュラルプロセスになります。
穏やかな酸味が織りなす繊細なカップバランスをベースに非常にアロマティックな香りと蜜感あるヘヴィーテクスチャーがエレガントなアクセントを生み出すコンプレックスなチロッソです。
やばすぎだろーって思わずつぶやきたくなる一杯です。
SIMPLIFY The Brewer
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SIMLIFYの再現性の高さをベースにした独自のレシピを参考にしたい方はぜひお試しください。
HARIO V60
円錐形と言えばV60!
抽出による風味作りに多様性があり、淹れる人によって味が変わりやすいバリスタ好みの抽出器具です。
ご家庭でもV60を使って立体的な風味を楽しめるように考えた抽出レシピです。
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