ASLAN COFFEE FACTORY
タンザニア / アカシアヒルズ ケント・ウォッシュド(浅煎り)
タンザニア / アカシアヒルズ ケント・ウォッシュド(浅煎り)
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生産国:Tanzania(タンザニア)
生産地:Oldeani Karatu Tanzania( タンザニア カラツ・オルディアニエリア )
生産者:ACACIA HILLS ( Leon Cristianakis ) / アカシアヒルズ( レオン・クリスティアナキス )
品種: KENT AB(ケント)*ABはスクリーンサイズの等級です。少し小さめ
標高:1,750m - 1,950m
精製方法:Washed (ウォッシュド)
【ローストレベル:Cinnamon roast(浅煎り)】
【焙煎あーだこーだ】
メインの流通に流されるタンザニアコーヒーはAA
昔からスクリーンサイズがでかい方が等級は高い
でも今はそうじゃない。
携帯だってコンパクトな時代だ
そう思えば、珈琲豆も小粒の方が流行ってもおかしくないのかもしれない
タンザニアのレオンも豆が小さいからという理由だけで官能評価もお構いなしに等級を落とされるタンザニアコーヒーのメイン流通に疑問符
実際レオンのサンプルカップの際はずらーっと並ぶ中に同じ品種同じ精製方法で等級だけ隠された状態で味を取らされる
(これってもしかして試されている・・・?)
でも、これが意外にどれを飲んでもレオンの豆は小粒の方が綺麗で明るい酸味がカップに良い骨格を作ってくれる
わー、確かに全然違うやん
そう思わず呟かざるを得ないが、何故かレオンのほくそ笑む顔が目に浮かぶ
明るく上品な酸味と荒々しくも大胆で膨らみのあるボディは、
まるでタンザニアダンディー
もといレオンの笑顔そのまんま
なので、焙煎もレオンの笑顔を思い浮かべながら焼く
口外臭でほのかにハーブのニュアンスとアタックで明るい柑橘系の快活な酸味を感じられながら
一気に広がるふくよかなボディ
最後は心地よいカモミールティーを思わせる爽やかな香りで
なんだか明るく朗らかな気持ちになれる
そんな甘酸っぱいカップバランスを作りたいというのが
この豆に対する焙煎の取り組み方です。
ただ今回のKENTはAB
一回り小さい上に標高も1900m付近だからか、まぁ密度がカッチカチ。
火なんか通してんじゃねぇーぞ、ああ?
って声が聞こえてきそうなくらいタンザニアのお豆ちゃんにしてはオラオラ堅物系
普通にドライフェーズなんかやってたら全然カロリー届かず表面だけが焦げて一ハゼ時にどでかいぱちぱち音が鳴り響く。
それはまるで田舎のヤンキーのバイク音(北九州テロワール?)
なので、こういう相手には水抜きなんか考えず、水を与えまくって蒸らしまくってます。
まぁ、あーだこーだ言うとりますけど要は
可愛い見た目してるけど意外と硬派で攻略難易度は高めです。
【FLAVOR COMMENT(フレーバーコメント)】
【Aroma(アロマ)】Chamomile (カモミール),Orange Tea(オレンジティー),Herb(ハーブ)
【Flavor(フレーバー)】Mandaline Orange(マンダリンオレンジ),Orange peel(オレンジピール),Chamomile Tea(カモミールティー)
【Acidity(酸味)】Blight Acidity(明るい酸味),Lively(生き生きとした),Fresh(新鮮な)、Citrus acid(シトラス酸)
【Sweet(甘味)】Brownsugar(黒糖),
【Body(ボディ≒コク)】Medium-ShortBody(ミディアムショートボディ),Round(丸みのある)、
【After Taste(アフターテイスト)】Shortafter(ショートアフター)、Chamomile(カモミール)、OrangePeel(オレンジピール)
【Balance(バランス)】Bright(明るい),Jucy(ジューシー)、Lively(生き生きとした)
TANZANIA
タンザニアにおけるコーヒーのルーツは、19世紀の北西タンザニアのハヤ族にまでさかのぼります。
植民地時代の当時、タンザニアはドイツ、そしてイギリスの統治下に置かれ、タンザニアのコーヒー産業は発展していきます。
アフリカのスペシャリティコーヒー産業は中南米諸国と比べ、政治経済が脆弱な分、産業構造の建設的な成長が遅れています。
タンザニアもその類から外れることはありませんが、独立後は、奴隷産業も撤廃され、多くの産業変革とブラッシュアップを繰り返しながら可能な限り最も平等で収益性が高く、高品質のコーヒーを作り出すために尽力してきたアフリカのコーヒー産地の一つでしょう。
今回紹介するアカシアヒルズのレオン・クリスティアナキスは近代タンザニアコーヒーの歴史の変遷を語る上で欠かせない存在の一人と言えます。
KARATU OLDEANI
オルディアニのコーヒー産業はマダガスカル島近くのレユニオン島からタンザニア北部にコーヒーの木が持ち込まれ、当時の支配国であったドイツの移民が産業として発展させたと言われています。
「ここタンザニア北部にあるコーヒー農園の多くは、第一次世界大戦後の1920年代頃に造られたようです。古い地図には、その時期に80組ほどのドイツ系の移民家族が移り住み、小規模なコーヒー農園を設立したと記されていた覚えがあります」

レオンの家系も祖父母が1900年頃にタンザニアに移住してきてコーヒー農園を始めたそうですが、その場所は現在のアカシアヒルズとは全く異なります。
初代、先代までレオンの家系はアルーシャという都市の郊外で農園を営んでいたが、その土地は決して高品質のコーヒーを作るための土壌とは言えず、低品質のタンザニアコーヒーを作らざるを得なかったそう。
「昔も今も、タンザニアで生産されたコーヒーは自国ではほとんど消費されません。すべてが輸出され、そのほとんどがコモディティコーヒーです。コーヒーの国際価格が下がり、コーヒー生産で生計を立てるのは厳しくなりました。スペシャルティコーヒーに方向転換するのは必然的なことでした」
第二次世界大戦の終結と共に奴隷産業廃止の流れでコーヒー産業は大いなる変遷期を迎えますが、レオン一家のような零細農家の経営はとても脆弱です。
時代は新たな覇権争いが始まり、米ソ冷戦終結後、ソ連解体と国際情勢は不安定を極めます。
そうした激動の中で毎月変わる不安定な国際価格にいつも悩まされるのは末端の零細農家です。
まさに、レオン一家のような零細農家はそうした変遷期の大渦に飲み込まれていく小さな小舟のような存在です。
こうした背景の中で幼少期を過ごしたレオンにとって、スペシャリティコーヒーという新たな産業に希望の光を見出したのは彼が言うように確かに必然なのかもしれません。
レオンに転機が訪れるのは2005年
その年のAFCA(アフリカのコーヒーアソシエーション)の展示会で、現在のビジネスパートナーとも言える存在、アメリカのポートランドコーヒーロースターズの創業者マーク・テスクと出会います。
レオンとマークは意気投合し、2007年にオルディアニ山のコーヒー農園を共同で購入します。それが現在のアカシアヒルズです。
コーヒー農業という生産現場は言わばコーヒー産業の”片側の世界”
売買取引が行われるもうひとつの世界”コーヒーマーケット”をレオンは知りませんでした。
レオンにとって、焙煎や世界的なコーヒーマーケットのトレンドを知るマークとポートランドコーヒーの存在は非常に大きかったそうで、彼との出会いは彼に「スペシャリティコーヒー」という事業再変革への挑戦を決意させた瞬間でした。
新たに農園を共同購入する場所はいくつかあったようですが、レオンが新たな農園の土地をオルディアニに決めたのには二つ理由あるそうです。
一つ目はマークが飲んだタンザニアのコーヒーの中で、一番美味しいと思ったのがオルディアニのコーヒーだったこと。
二つ目は、ある研究者がオルディアニの土壌はコーヒーの栽培に最適だと言っているのを耳にしたことだ。
結構単純な理由なんですが、まぁ、実際動機なんてそんなもんでしょう笑

購入した当時の農園は荒れ果てていましたが、レオンは荒れ果てていた農園を立て直し、ケント、SL28、ゲイシャ、パカマラなど高品質のコーヒーの木を植え、少しずつ着実に10年かけてスペシャリティコーヒーとしてのタンザニアコーヒーのクオリティを整えていきました。
ACACIA HILLS
さて、ここまでめっちゃ長くレオンのヒストリーを紹介してきたんですが、彼の物語はタンザニアのみならずまさに現代のコーヒー農家の苦悩と挑戦のモデルケースと言えます。
コモディティコーヒーからスペシャリティコーヒーへ
こうした機会選択の連鎖がスペシャリティコーヒー市場が拡大し続けるファクターの一つです。
さて、レオンさんのアカシアヒルズの話に戻しましょう(笑)
アカシアヒルズの北側にはオルディアニ山が南西に沿って広がり、その斜面にはエヤシ湖の水が流れています。
豊富な土壌源を活用するここアカシアヒルズでは115ヘクタール(約東京ドーム34個分)に及ぶ広大な敷地でスペシャリティ・コーヒーの栽培が行われています。
栽培されている品種はアフリカの農園では珍しく実に多様です。
タンザニア主要品種のブルボンやケントを始め、ゲイシャやパカマラ、カスティージョなど品質の優れた他国の外来品種も積極的に取り入れてスペシャリティコーヒーの生産を行っています。
タンザニアの農家は零細農家が多く、政府管轄のマイクロミルもハイグレードなスペシャリティコーヒーの生産に消極的な脆弱な産業構造なので、他国の外来種どころかケントのようなタンザニアの主要品種すらシングルオリジンで楽しめることがありません。
アカシアヒルズを経営するレオンさんがその開拓者と言っていいでしょう。
オーナーのレオン・クリスティアナキスさんはアカシアヒルズのみならずタンザニア国内全体のスペシャリティコーヒー産業の発展にも尽力しており、2007年にアカシアヒルズを造園して以降、オルディアニ山周辺の生産者たちと共に海外のロースターへ向けたコミュニティ・カッピングを開催し精力的にタンザニア・スペシャリティコーヒーの普及活動を行ってきました。
彼らの地道な積み重ねが花開き始めたのはここ最近です。
2018年頃からタンザニアでスペシャリティコーヒーへ挑戦する面白いやつがいると少しずつマーケットからも関心を集めるようになり、2020年にアメリカで行われたACE(America Cup of Excellence)にてアカシアヒルズを始めとしたオルディアニ山周辺の生産者たちのコーヒー豆が出品されました。
ASLANでは3年前、レオンさんが初めて日本市場へアクセスした2022年にアカシアヒルズのゲイシャを仕入れましたが、あれから数年たって全体的に品質も良くなったと思います。
参考文献:TYPICA Leon Cristianakis サステナビリティは心の中にある | Acacia Hills | TYPICA(ティピカ )
KENT AB
引用元:WCR「KP423」World Coffee Research | kp423
遺伝子的記述 : ブルボン-ティピカグループ (ブルボン関連)
血統 : ケントのセレクション. おそらくブルボンに似た遺伝子的背景
ブリーダー : Lyamungu Research Station(Tanzania)
歴史 : KP423は、インド南西部のブルボン関連集団であるケントから選ばれました。
ケントは、1920年代にタンザニアのリャムング研究所で品質と生産に焦点を当てた選抜プログラムの一環として、タンザニアと東アフリカの他の場所に伝搬していきました。
その後、KP423は1940年代にタンザニアで発売され、ウガンダに伝わっていきます。
ケントは、1670年にババ・ブダンによってイエメンからインドに持ち込まれた最初のブルボンの種子の子孫であると考えられています。
ケント由来のさまざまな品種は、1911年にL.P.ケント氏がインド南西部のマイソールにある彼のドッデングッドア農園で育った1本の木から選択したことに由来します。
ケントは、錆病に強い特性があるため好んで選択された最初のコーヒーとして知られていますが、その抵抗力はその後少しずつ弱体化しています。
コメント
ケントはタンザニアコーヒーで多く見られる品種です。
皆さんが良く知ってるタンザニアだとコモディティコーヒーの「キリマンジャロ」や、スペシャリティコーヒーだと「ンゴロンゴロ」だと思います。
こうした銘柄のマイクロロット商品にもよく混ぜられている品種です。
それだけタンザニアの農家さんが多く育てている主要な品種ということですね。
今まで目にしたことはあってもタンザニアの単一品種クロップはまぁないので、ケント本来の味わいを楽しめる機会を得ることが出来たのはレオンさんが僕は初めてです。
火山灰土壌でボディがしっかりとした印象がありますが、酸質も適度にしっかりとしていてカップの骨格が明るい印象があります。
マンダリンオレンジを思わせるジューシーな酸味と甘味のバランスに、カモミールのようなまろやかで爽やかなアフターアロマを連想しやすい品種かと思います。

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