ASLAN COFFEE FACTORY
シーズンブレンド”霜降”(100g~)
シーズンブレンド”霜降”(100g~)
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ーーーーーーー[Blend History:栗名月]ーーーーーーーーーー
いつものように疲れ果てた帰り道
ほんのりと冬の匂いを纏い始める冷たい木枯らしが頬を伝(つた)い、
なぜか今更、蟋蟀(こおろぎ)や鈴虫の鳴き音色に秋の訪れを感じ私はとっさに焦る。
「映画・・・」
過ぎ去ってしまった歳月に憂いは残るが、気付けばもう10月だ。
行きたかった映画の上映はとっくに終わっていた。
「もうすっかり秋か・・・」
大学の頃は何よりも優先していたはずの映画ですら
今の私にとっては何色(なにいろ)でもないのかもしれない
ただの無色
変わってしまったのは季節だけじゃなかったことに今更気づくと、これまで忙殺する日々の重荷をぎりぎりのところでせき止めていた心の防波堤もとうとう瓦解してしまった。
重荷は今や濁流だ。
虚無感が一気に襲ってくる。
「はぁ・・・何やってんだろ、私」
うつむくと、紅葉の絨毯は今の自分を嘲るほどに色鮮やかで、無駄に力強く踏みつけたくなる。
今の今まで忘れていたくせに
もう戻ってこないと思えば途端に映画が名残惜しい。
そんな時に限って夜空に浮かぶ月が名月と呼ぶに相応しいほど立派だったので、
私はとっさにある思いに固執する。
「もしかして・・・中秋の名月って・・・今年まだだった?」
そんなはずがないことくらいは理解していながら、
新しい部署に馴染めない毎日に奪われてしまった”私の秋”をなんだか無性に取り返したくなって私はそう思い込むようにした。
「モンブランでも買ってお月見するか」
嫉妬にも似たペーソスは
知らない満月のおかげか
逆に開き直ってしまえば、陽気なものでコンビニに向かう足取りは少し軽やかになる。
いつもの帰り道からは10分ほど寄り道になるが、
路地を曲がった先にあるコンビニへ”私の秋”を探しに行くと思うと何故かさっきまで感じていた疲れも全く気にならない。
もはや私の頭の中はモンブランで一杯だ。
”モンブランコーヒーはじめました”
路地を曲がってすぐのところで突然現れたのぼり旗の文字が目にとまった。
喫茶店だった。
どうやら知らぬ間に近所に出来ていたらしい。
が、喫茶店の外観は普段なら断固嫌う類(たぐい)の胡散臭そうなものだ。
それに私はカフェの方が好きだ。
「もんぶらんこーひー?」
喫茶店に自ら足を運んだことがない私にとって、見るからに胡散臭い外観は良く分からない”もんぶんらんこーひー”なるもののイメージの歪曲に拍車をかける。
首をかしげて訝し気な表情をしたのも束の間で、
私は怪しいその喫茶店に入ってみることにした。
そう
この日の私はモンブランと”冒険”に飢えていた。
霜降(SOUKOU) Written by ASLAN Coffee Factory ,Hiroshi Yagyu
Blend Info.
ブレンディング:プレミックス
グリーンピック:無
アフターピック:有
ブレンドイメージ
↳Bass Concept: 霜降‐soukou‐
Design image:木枯らし
Flavor image:甘栗
ローストレベル:中浅煎り / Medium roast(1crak+159sec)
ブレンド内容:
① Colombia (コロンビア)
地域:ナリーニョ県 / Narino
生産者:エル・シティオ / El Cittio
品種:カスティージョ / Castillo
精製:ウォッシュド / Washed
配合率:40%
② India (インド)
地域:カルナータカ州 / Karnartaka
生産者:パバンさん / Paban
品種:ロブスター(ファイン) / Robustar(Fine)
精製:ウォッシュド / Washed
配合率:30%
③ Guatemala(グアテマラ)
地域:ウエウエテナンゴ / Ueuetenango
生産者:フェルミン&シルベストレ / Fermin & Sirvestore
品種:ブルボン、パチェetc... / Bourbon,Pache etc...
精製:ウォッシュド / Washed
配合率:30%
CUPCOMMENT / カップコメント
Flavor(フレーバー):Roast-Chesnut(甘栗)、Caramel(キャラメル)、Orangepeel(オレンジピール)、Pistachio(ピスタチオ)
Aroma(アロマ):Pistachio(ピスタチオ)、Caramel(キャラメル)
Acidity(酸味):Citric(シトリック)、Malic(マリック)、Orange(オレンジ)
Sweetness(甘味):Roast-Chesnuts(甘栗)、Caramel(キャラメル)
Mouthfeel(マウスフィール):Caramel(キャラメル)、starch(でんぷん)
After Taste(アフターテイスト):Roast-Chesnuts(甘栗)、Orangepeel(オレンジピール)
Roasters' Comment
「霜降」は、霜が降りるという意味で、24節気の第18節気目になります。
だいたい10月23日頃から11月6日頃を指します。
朝露が霜に変わってくる季節感と言えば分かりやすいでしょうか。
この時期になると気温がぐっと下がり、空気中の水分が凍って草木の表面や地面につくと霜になります。
きっと吐息もほんのりと白ばんできて、木枯らしもいよいよ肌寒く感じるでしょう。
冬の気配が匂い立ち、そろそろ衣替えしなきゃって感じ始める季節の雰囲気こそが霜降です。
この時期は「初霜(はつしも)」なんて季語もありますが、僕はこの季節の匂いを感じるのは木枯らしと栗饅頭です。
木枯らし
秋と言えばだいたいの人が真っ先に思い浮かべるのが、綺麗な紅葉で彩られた行楽シーズン。
霜降の名物と言えばまさにそれで、霜降の末候では楓蔦黄(もみじつたきばむ)とも言います。
楓(かえで)や蔦の葉が色づく頃からきた言葉で、晩秋の山々は赤や黄に彩られ、紅葉狩りの季節を指します。
早ければこの頃には訪れる木枯らし。
紅葉した落ち葉の絨毯の上を歩いて
いつもの帰り道なのに、なんだかそれだけで自分までドレスコードした気分。
このまま帰るのはもったいないなと、上機嫌な僕の気分をお膳立てしてくれるかのように
木枯らしが落ち葉の紙吹雪を吹かせてくれて、おろしたてのマフラーの香りがそっと髪をなでる。
そんな季節のイメージが僕にとっての霜降です。
栗名月(くりめいげつ)
この時期には寒露と同じく十三夜が訪れる季節です。
この時期は空気が澄んで、月や星がきれいに見えます。十五夜の次に美しいとされる「十三夜」がこの寒露か霜降かどちらかの季節に毎年訪れますが、今年は去年と違って11月2日ごろに十三夜が訪れるそうです。
十三夜は別名「栗名月」「豆名月」といい、この時期採れた栗や豆を供えて収穫に感謝する習わしがあるので、今回のシーズンブレンドのコンセプトイメージの「甘栗」もこうした栗名月の季節感をオマージュしています。

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