ウエウエテナンゴは広大に長いグアテマラの北部に位置します。
グアテマラシティよりもメキシコですかね。

この辺りのコーヒー産地は治安が良くないです。
知り合いのバイヤーの方達はお酒の席になると中南米のコーヒー産地でバスジャック経験何回あるかでマウントを取り合ってたりします。
「身に着けてるモノ全部渡しちゃえば絶対命取られないから逆に安全だよ?」
しまいにはそんな言葉で新米バイヤーを行く前から恐怖に陥れる始末で、
この辺りに買い付けに行くバイヤーはスリルで脳みそが溶けてしまっている人が多いです。(誤解しかない)
とまぁ、冗談はさておき、そんなグアテマラの中でも名産地の一つがここウエウエテナンゴです。
グアテマラの中でも特に標高が高く1,500m~2,000mまで至るこの地域はコーヒー栽培に非常に適しています。
標高が高いと雲がかかりやすいのでこの地域のコーヒーは日光から守られやすくなるし、日中の寒暖差が生まれるので、寒い夜の間に冬眠と間違えてコーヒーの木は糖分を蓄えるようになります。
ただ栽培はその分難しくなるので、より質の良いコーヒーを生産したいこだわりの強い農家向けの環境と言えます。
スペシャリティコーヒーの豆を買った際に、よく豆の情報に標高が書いてありますが、あれには品質の指標値としての意味があるわけです。
そんな標高の高いウエウエテナンゴにコーヒーが伝播したのは、メキシコチアパス州からの農業移民が持ち込んでいるという説や、グアテマラ南部の伝統的なコーヒー産地、アンティグアから流れてきたという風に諸説あります。
民間伝承が多いのでこの辺は分からないですが、どちらにせよ世界的に有名な産地の割に生産地域としての歴史は浅いです。
19世紀後半から20世紀にかけてグアテマラ政府のコーヒー輸出振興政策のもと、大規模農園による生産が中心となってこの地域にコーヒー農業が根付きましたが、その後、道路整備が始まった1950年代から70年代になると、小規模農家の参入し始めました。
ウエウエテナンゴのブランド化が始まったのはこの小規模農家の参入がきっかけです。
ここで参入してきた小規模農家たちが2000年代にはいると、ウエウエテナンゴの土壌を活かした高品質ナノロット生産に力を入れるようになりました。
高標高で寒暖差の大きい気候が生む複雑な風味が高く評価され、COE品評会での入賞ロットが続々と出され、現在では世界中のバイヤーから注目される生産地として知られるようになりました。
Canicula(カニクラ)
カニクラとは、スペイン語で「一年で最も暑い時期」を意味し、日本でいう「盛夏」にあたります。
照りつける太陽の中で、この時期は風も吹かないので、まさにうだるような暑さとなります。
メキシコやグアテマラにおいて、カニクラは「乾いた熱風が吹く現象」を意味します。
このカニクラが生み出す乾燥した気候はさび病や果実腐敗などの病害リスクの低下やチェリーのゆっくりかつ均一な成熟、日干しが均一になるなどコーヒーを生み出す環境にとって様々な恩恵を与えてくれます。
また、湿気による発酵臭やカビ臭のリスクの軽減、農薬に頼らない栽培環境づくりなど、ウエウエテナンゴのコーヒー品質にとってこのカニクラは非常に重要な役割を果たしています。


