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ASLAN COFFEE FACTORY

【NEW!!】BRAZIL ぺドラ・プレタ / ナチュラル(中深煎り)

【NEW!!】BRAZIL ぺドラ・プレタ / ナチュラル(中深煎り)

通常価格 ¥1,089 JPY
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豆or粉

生産国/Origin:BRAZIL(ブラジル)

生産地/Area:Mantiqueira de Minas, Minas Gerais (ミナスジェイラス州マンチケーラ・デ・ミナス

生産者/Producer:Fazenda Pedra Preta / Eduardo Ferreira de Sousa(ファゼンダ・ぺドラ・プレタ / エドアルド・フェレイラ・デ・ソウザ)

品種/Variety:Red Bourbon / Acaia / Catuai(レッドブルボン、アカイア、カツアイ)

精製方法/Process:Natural(ナチュラル)

標高/Altitude:1,100m

ローストレベル/Roast Level:Full City roast(中深煎り)

フレーバープロファイル:Citrus Acidity(シトラス系の酸味)、Soft acidity(柔らかい酸質)、Mild acidity with a baked feeling(ベイクド感を伴った穏やかな酸味)、High Sweet (強い甘み)、MediumBody(ミディアムボディ)、Transparent(透明感)、Light texture(軽やかな舌触り)、Smooth, round mouthfeel and sweetness like milk chocolate(ミルクチョコレートのような滑らかで丸い口当たりと甘味),Brown Sugar(ブラウンシュガー),Green Tea(緑茶),brown rice(玄米)

 Coffee Quest Brazil

コーヒークエストは、オランダ、アメリカ、ブラジル、コロンビアに拠点を持つグローバルなコーヒーカンパニーです。

オランダ、アメリカはセールス拠点、ブラジル、コロンビアでは品質管理と輸出を行っています。コーヒー世界市場のおよそ35%ものシェアを占める世界最大コーヒー輸出国ブラジルではコーヒーの生産は工業化しており、他国の生産者とは比べ物にならないほどの大規模農園主が多いです。そんな中でコーヒークエストブラジルは極めてニッチ市場にフォーカスした活動を行っていると言っていいでしょう。

共同代表の一人ガブリエルは「私たちはコーヒー生産者に『声』を与えたいと思っています。多くの小規模生産者は、自力で海外のマーケットにリーチすることはできません。・・・(中略)・・・生産者の物語は、誰かが語らなければ伝わらない。私たちは一杯のコーヒーにまつわる生産者の物語を拾い集めて、それを海外に発信したいと考えています」と語ります。

他国に比べコーヒー農業を「工業型農業」へと進化させることに成功したと思われるブラジルで何故そこまでボトムアップにこだわるのか?

そこには常に生産の最前線を走ってきたブラジルならではの問題が見えてきます。

Industrialized Coffee Farming

早速その問題と今回の主役であるエドアルドのビックプロジェクト「トロピカリア」の話に移りたいところなんですが、そのためには先ず現在のブラジルの生産システムの特徴を理解しなければなりません。

ブラジルの生産システムを一言で言い表すとすれば、「機械化」です。

ブラジルは1850年以来ずっとコーヒーの輸出量世界第一位を占める世界最大のコーヒー生産国になります。また、私達コーヒーラバーの世界市場を支えている一大コーヒー生産国でありながら、消費国としてもアメリカに次ぐ第二位に位置するコーヒー産業の国です。

そんな巨大な市場を支える供給量を確立できる背景には世界第五位の国土面積が関係しています。農地を拡大するための広大なフィールドがあるためブラジルは農地開拓を積極的に進め、広大な農場を管理するために農業技術へ積極的に投資してきた国でもあります。

現在では大規模農園主が非常に多いのもブラジルコーヒーの特徴の一つと言ってもいいでしょう。

他国と違って大規模農園主が多いブラジルでは広大な農場を管理するためにトラクターによってコーヒーチェリーの収穫を行い、短時間で膨大なコーヒーチェリーを収穫する農家もあります。その場合、選別を小規模生産者の様にハンドピックで実践することは不可能なので、自動カラー選別機と呼ばれるコーヒーチェリーのカラー選別機械によって熟度の選別を行ったりもしています。

写真元:Coffee Harvesting with Machines: Newer Methods in Brazil Coffee Production - Sweet Maria's Coffee Library (sweetmarias.com)

またメカニカルドライによる自然乾燥に任せない乾燥スタイルの確立などブラジルは大量生産と品質の安定化の両立を図り、”美味しいコーヒーの生産”だけでなく私達の日常的なコーヒーライフを支える大黒柱としてサプライチェーンの拡大を進め、コーヒー農業の工業化に成功した極めて”先進的な”コーヒー大国と言えるでしょう。

 

Is happiness synonymous with becoming more convenient?

現在でも世界のコーヒー供給量の約35%を生産しており、歩んできた歴史の軌跡と数字を見れば他のどの国よりも「コーヒーで豊かになった国」に見えるかもしれません。

しかし今回の主役であるエドアルドは「このコーヒー農業工業化の軌跡にこそ今後ブラジルが抱えるであろう極めて深刻なコーヒー農業の問題が潜在しており、その問題はもうすぐそこまで来ているのに未だに誰もそれを見ようともしない」と危機感を露わにし、自らその問題への解決の糸口を探っています。

 

コーヒーチェリーのカラー選別機の様子写真元:Coffee Harvesting with Machines: Newer Methods in Brazil Coffee Production(March 19, 2020/Thompson Owen)URL:https://library.sweetmarias.com/newish-methods-in-brazil-coffee-production/

その問題が、「土壌侵食」です。

実はブラジルでは農地開拓による土壌浸食が20年前から国連でも問題視されていて、最近では深刻な問題になりつつあります。要因は自然現象による影響もありますが、それ以上に人為的な影響が増加しています。

下記2つのTableは国連環境計画によって発表された中南米五か国の土壌浸食に関連する調査報告です。少し調査実施年数は古いですが、現在でもなお中南米における土壌侵食の問題は今後の世界農業における喫緊の問題であることに変わりはありません。

Table 1 には人為的な原因による土壌劣化と安定農地面積との対比を表しています。

これは人的関与による土壌劣化図GLASOD(ISRIC/UNEP:1991)の資料で、劣化地域の中でもブラジルの125百万haは群を抜いてます。*1

Soil erosion in Brazil and Edoardo's perspective

TaBLE4には国別の土壌劣化の原因が示されています。ブラジルでは主に森林伐採と営農活動による影響が大きのが分かります。ブラジルの森林伐採は、牧場や農耕地開発を目的としたものがほとんどです。森林伐採が進行した原因としては、農地改革の一環として土地無し農民を含めた零細小農を、アマゾン地域の森林地へ入植させたことが大きな要因と言えます。*2

また営農活動に関してはトラクター使用の広がりが原因の一つとも言われています。

トラクターによる耕起は土壌の動かす量が増大しますが、それに比例して土壌浸食のリスクは高くなります。このためブラジルでは単位面積当たりのトラクター台数を、土壌流亡の指標の一つにしています。*3

Coffee Quest Brazil meets Edoardo

ここ数年ブラジルでも霜や干ばつなどが相次ぎ歴史的な不作がありましたが、エドアルドは上記資料にもあるように、これまでの「工業化」による土壌へのダメージの蓄積も少なからず影響していると考えています。

コーヒークエストは、持続可能なコーヒー生産の背後にあるコンセプトを長い間サポートしてきましたが、エドゥアルドの進歩とアドボカシーを目の当たりにしたことが、彼と知り合ってすぐに彼の目標を受け入れた理由の1つと言います。

エドアルドのアグロフォレストリーシステムプロジェクトの拡大は再生可能なコーヒー農業の実現というコーヒークエストの目標でもあります。

A man who worries about nature in Brazil

世界中のコーヒーライフを100年以上にもわたって支えてきたブラジルのコーヒー工業システムの副作用ともよべる土壌浸食に対して、エドアルドは自身の宿命を感じています。彼の生産は2021年に父から農園を譲りうけたところから本格的にスタートしました。

彼はマンティケイラ・デ・ミナスにあるファゼンダ・ペドラ・プレタの新しいオーナーですが、ぺドラ・プレタ自体は非常に歴史が古く、19世紀~20世紀の境目に設立されています。2000年初頭にはブラジルCOE(カップオブエクセレンス)にて何度も入賞しており、実力派の農園としても知られています。

Agroforestry for Edoardo

コーヒークエストブラジルが、エドアルドとのパートナーシップを結んだのは彼が最初にアグロフォレストリーのパイロットを計画した2021年だったようで、そのせいもあってかコーヒークエストブラジルのガブリエルやフリンは、エドアルドの良き理解者でもあり、彼のことに関する情報はやたらと持っています(笑)

エドアルドは、「トロピカリア」と自称する独自のスケーラブルな環境再生型農業のパイロットとしてよく知られており、各地で環境再生型農業の講演を行うなどブラジルでの再生型農業のパイオニアとして活動しています。

What is Edoardo's "tropicalia"?

彼が口にするこの「トロピカリア」とは一体どんなものなのか?

一言で言うならば「アグロフォレストリー(自然農法)」です。ただ既存の自然を生かして農業を行う自然農法と違い、エドアルドが計画する「トロピカリア」は一度工業化された農場を自然の状態に戻していく再生型の自然農法です。

農業をしながら土壌を再生させて自然を創り上げる。(話壮大すぎ・・・)

それこそが彼が提唱する「トロピカリア」になります。

と言っても、殆どの人がそもそもアグロフォレストリーって何?ってなると思うのでまずはアグロフォレストリーの説明をしていきましょう。

Conventional Farming and Agroforestry

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アグロフォレストリーという言葉は、1970年中期に、カナダの国際開発研究センター(IDRC)の研究者ジョン・ベネ(John Bene)氏によって提唱されたのが始まりです。

1978年、彼の研究が元となる国際アグロフォレストリー研究センター(ICRAF)が発足し、主に開発途上国でアグロフォレストリーの実践が行われました。

その後、アフリカを中心にアグロフォレストリーの成果が見られたことで、次第に南米や西南アジアなど各地域へ広まります。

アグロフォレストリーという言葉自体は新しいものですが、森林の中で農業・家畜の放牧を行う方法は、実は古くから一部の国・地域で親しまれてきました。特に、熱帯性気候地帯やロシア・カナダでは長年続いている農法になります。

このようにアグロフォレストリーは資源を有効に使いながら、コミュニティを豊かにする伝統的なツールなのです。

ただ、現在先進諸国では工業型農業が普及し、慣行農法が一般的です。

慣行農法とは、農薬や肥料・大規模な機械を使用し、広い面積で単一の品目を栽培する近代農法です。

生産性を高められる慣行農法によって、一度に同じ作物をたくさん収穫できます。私たちが普段スーパーで一年中にんじんやキャベツを手に入れられるようになったのも、慣行農法が発達したおかげといっていいです。

この慣行農法は食物革命とも言え、産業革命以降、化学農薬や肥料が開発されるようになり、世界中に広まっていきました。

今では日本をはじめ、多くの国・地域で最もメジャーな農法の1つです。

ブラジルのコーヒー産業はまさにコーヒーの慣行農法の最も発展した事例と言えます。

エドアルドのトロピカリアプロジェクトは、こうしたブラジルの慣行農法に対するアンチテーゼの提唱と言っていいでしょう。

対するエドアルドのアグロフォレストリーは、複数の品目を植えるのが特徴です。

そのため、時期によって収穫できる作物は異なり、それぞれの生産量も少なくなります。

アグロフォレストリーは、間作による土地管理の一種で、最大の特徴は樹木と低木を組み合わせて多層的な生態系を作り、土壌と生物多様性を保護できる点です。

Edoardo's Challenge and Tropicalia

「トロピカリア」は間作を使用して多層的な生態系を構築する土地管理の一形態です。

エドゥアルドにとって目的は明確で、アグロフォレストリーを主流にすることです。2019年にはわずか4ヘクタールのアグロフォレストリーから始まった彼の旅は、今後10年以内にこれを約100ヘクタールに増やすことを計画しています。彼のアグロフォレストリーシステム「トロピカリア」は、これまでに大きな進歩を遂げています。

引用文献:*1 吾郷 秀雄 『世界のパンカゴ・南米の激しい土壌侵食とアンデス天空の高地における砂漠化防止対策の取り組み』URL:http://seneca21st.eco.coocan.jp/working/agou/29_02.html)*2 ブラジルの農業:現状と開発の課題、AICAF、pp.76(1995)*3吾郷 秀雄 『世界のパンカゴ・南米の激しい土壌侵食とアンデス天空の高地における砂漠化防止対策の取り組み』(H20.6.11)

Edoardo's vision of the future

トロピカリア・システムは、単一栽培に代わり、今後何百年も通してブラジルがコーヒーと共に未来を作っていけるそんな持続可能な方法を生み出し、気候変動の脅威と闘い、「森林破壊の影響を作る農業」という観念を「森林を再生するための農業」へと逆転させることを目的としています。普通に聞いてると「そんなの理想論ですよね?」ってなるんですが、実際そんな理想論のような未来を信じてまさに今チャレンジしてるのがエドアルドです。

約3年ぶりの成果は、圧倒的にポジティブなものでした。

彼の生産の蓄積によって農場には、わずかながらですが害虫や病気の発生の回避、土壌の質の改善などが見られました。エドアルドはこの結果を強く握りしめ、環境再生型農業が気候変動の変動に対する戦いの力になり得ると信じて、農場の栽培方法の変換計画をスピードアップさせています。

2021年、エドゥアルドは父親からペドラ・プレタを正式に引き継ぎ、より大きな規模で新しい変化を取り入れることを可能にしました。エドゥアルドは、トレーニングコースと新しい設備への投資を通じて、5年以内に30ヘクタール(農場の30%)をアグロフォレストリーに転換するという短期的な目標を見据えています。

5年後と言うと、2029年になりますかね。

その頃に彼の目標がどこまで達成していて、その先に彼はまたどんな未来を描き、新たな目標を見えるのか・・・僕はこのコーヒーを飲みながらそんな妄想とワクワクが止まりません。

Final Words


こういう話をしていくと、ブラジルの現在の生産システムが”悪”である構図として理解されやすいですが、そういった文脈で僕はこの話を皆さんに届けたいわけではないことだけ最後に留意してほしいです。

僕は常にマイノリティから見る世界が好きです。

マイノリティで生きる人々の”未来を変えたい”という情熱を通してマス(大衆)社会を見るとその社会の姿や僕たちが意識しなけらばならない現在の課題とより良い未来への展望図が見えてきます。

最近は世界情勢も不安定で、戦争も多く、こうしたイノベーションすらも善悪の二項対立論で進みがちです。

でも、本当の世界は善悪という二項対立ではなく、もっと高次元であり、複合的で、いがみ合ってる民族同士ですら歴史を紐解くと、実は相互補完の関係性だったりします。

そんな関係性をどこで誰が歪めてしまっているのか・・・

本当はもっとマス(大衆)が冷静になって事実の多面性を知り、理解する必要があります。

その為に大事なのは相互理解だと思っています。

今回で言えば、エドアルドの考えるトロピカリアプロジェクトを理解し、応援する気持ちと同じ量だけ

ブラジルのこれまで工業型農業の良い部分も理解しなければなりません。

実際私達は現在のブラジルの生産システムの恩恵を大いに享受しています。

エドアルドやコーヒークエストの視座はブラジルのコーヒー産業の中でも極めてニッチな見解です。

かなり先見性の高い問題意識とアクションだと思います。そして、今後100年先のコーヒー農業における世界的な課題になることは間違いないかと思います。

そこにブラジルがいち早く直面していくであろうことは想像に難くないですし、その時にはきっと、エドアルドの「トロピカリア」は救済のモデルケースとして語り継がれていることでしょう。


Cupnote(カップノート)

【Acidity(酸味)】

ベースの酸質はシトラス系(柑橘類)。

ただローストによる酸のディベロップメントが進行しているので感じる酸は少なく、強い苦味を楽しめる。

ドライの香りは麦や玄米を燻した様な含みのあるスモーキーな香り

 

【Sweet(甘味)】

アタックで苦味を感じた直後にブラウンシュガーのような豊かな甘味が広がってくる。アタックとミドル(中間域)で感じる苦味と甘みのバランスはしっかりと糖分がキャラメリゼしたような感覚。

 

【Body(ボディ≒コク)】

ボディ感は程よく、蜂蜜の様な質感があるため奥行きは適度な滑らかさに乗って広がる淡い風味が余韻で楽しめる。

 

【After&Clean(余韻とカップの透明感)】

クリーンカップで液体に透明感がしっかりとあるので、全体的に淡く柔らかい風味がアフターフィニッシュでは穀物の様な爽やかで心地よいアロマと共に優しくもはっきりと広がってくる。程よい奥行きなのでフィニッシュもくどさがなく、綺麗に消えていくミドルアフターなテイスト。

 

【OverAll(総合評価)】

アタック(第一印象)の苦味が強いが、甘さがしっかりとカップの中心に来るため、糖分がキャラメリゼした甘い香りやブラウンシュガーのような甘味はクラフトチョコレートを連想するようなスウィートカップ。

蜂蜜の様な質感があり、ミドル(中間域)からは甘さにほんのりと重厚感が生まれる。

アフターフィニッシュでは、麦や玄米を燻したような香りと渋味が楽しめるので、余韻には甘さが残り続けるような重たさやくどさがなく爽やかな印象がある。

香りから余韻まで全体的に甘さに個性が感じられるバランスの良いカップクオリティで日常的に楽しみやすい非常に落ち着きのあるカップクオリティ。

 

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